[cinema] 『君たちはどう生きるか』
暑さ寒さも彼岸までと云いますが朝から雪が降ったり止んだりの寒い一日。見る機会を逸していた作品でしたが、アカデミー長編アニメ映画賞を受賞したことやTOHOウェンズデイでお得にみられることもあって映画館に足を運びました。
暗喩に富んだ作品ですぐには消化しきれない内容でしたが、さまざまに考えさせられるテーマを投げかけてくる映画でした。
[cinema] 『王国(あるいはその家について)』
上田映劇で上映の後、草野なつか監督と鈴木徳至プロデューサーによる舞台挨拶があったので見に行きました。
作品は冒頭と最後のフィクション・パートと間に挟まれたノンフィクション・パートで構成されていました。舞台挨拶で草野監督が語っていましたが、役者さんが本読みから稽古を通じて役柄を獲得していく過程を丁寧に撮影しています。プロの役者さんということもあるのでしょうが、台本を手にしながらの本読みの段階からすでに役柄のリアリティが漂い、逆に稽古が進んで身振り手振りや表情がついた後半の方が作り物ぽい雰囲気が漂ったのは新鮮な発見でした。草野監督も語っていましたが本来演技やカットに正解はなく、作品として公開される映画は複数の素材からたまたまベストであるとして選ばれた映像の羅列であるということが良くわかりました。非常に実験的な作品でしたが映画が違った見え方になる作品でした。
[cinema] 『女優は泣かない』
不倫スキャンダルに巻き込まれた崖っぷちの女優と、これまた自分の作りたい作品が作れずにモヤモヤしている若手プロデューサーがいきがかりでタックを組んでドタバタを演じるコメディー。たっぷり笑えて、しっかり泣けてくる素敵な作品でした。蓮佛美沙子さんが演じる主人公はスクリーンの中で終始不機嫌で苛々としているのですが、最後の場面で見せる、イタズラを見つかった子供のような笑顔に魅了されました。 あれはズルい… 😅
[cinema] 『夜明けのすべて』
松村北斗さんと上白石萌音さんが演じる主人公は、それぞれに "生きづらさ" を抱えています。それぞれの生きづらさを夜の闇に例えています。暗闇に例えられる孤独な時間などなければないに越したことはないのでしょうが暗闇の空に見えてくるものもある。映画の中では描かれませんが、一見順風満帆に仕事をこなしているようにみえる主人公の元恋人にも、学校の課題で町工場の職場でビデオを回している仲良しの二人の中学生にも、見えてはいない孤独が広がっているのだろうなと思いました。
[cinema] 『NO 選挙, NO LIFE』
本命候補から無頼系独立候補(いわゆる泡沫候補)まで全立候補者を取材して記事を書くことをモットーにしているフリーランスライターの背中越しに選挙運動を追いかけたルポ映画でした。どこかコミカルではあるのですが、選挙とは何か? 立候補するということはどういうことか? そして候補者を応援して投票するということはどういうことなのか? 答えが出ない問いを追い続けるライターの姿に心を動かされました。