[cinema] 『ハルビン』
アン・ジュングンによる伊藤博文暗殺を描いたサスペンス映画でした。植民地化への抵抗運動から暗殺計画へとつながる物語をスリリングに描いていました。祖国独立への志を同じくする同志の中でも路線対立があったり裏切りがあったり、と苦難に満ちた過程が描かれていました。登場人物は傷だらけ、泥だらけの男性ばかりですが、チョン・ヨビンさんが演じるオリジナルキャラクターのコン夫人が馬賊に落ちぶれた義兄に涙を流したり、日本軍の待ち伏せを突破して颯爽と馬車を走らせるシーンは見応えがありました。暴力による現状変更は何も問題を解決しないと私は思っています。しかし祖国独立のために力を尽くした多くの人たちの心がユン・ソンニョル大統領による非常戒厳令にも屈することのない市民の強さにつながっていると感じました。
[cinema] 『はたらく細胞』
八ヶ岳自然文化園で開かれた星空の映画祭で『はたらく細胞』を鑑賞してきました。
無駄にキレッキレのアクションを披露する佐藤健さんが演じる白血球。子供達が演じる無駄に可愛い血小板。無駄に悲哀を漂わせるFUKASEさんが演じる白血病細胞。全てが無駄に壮大で感動的なスペクタクル作品でした。😅
[cinema] 『わたのはらぞこ』
疲れてしまい表情を失った女性が旅先で袖振り合った人たちとの関わりの中で徐々に感情を取り戻していくストーリでした。俳優さんが脚本を演じたフィクションですが、上田市に実在するちょっと困ったときに一泊千円で宿泊場所を提供する「やどかりハウス」の運営や、学校に行きたくない子どもの居場所として映画館で上演会を開く「うえだ子どもシネマクラブ」の取り組みを取材して当て書きして脚本をつくっていったということで、信州上田の風景とも相まってリアルな映像になっていました。主人公の女性に何があったかは描かれていませんし、映画になるような大きな出来事はなかったのかもしれない。助けます/助けられますといった一方的な関係ではなく、自分の焼いたパンの感想を聞きたいだけだったり、自分のリリックを聞いて欲しいだけだったり、大好きな化石について語りだけだったり、しかしそんな関係のなかで回復していく姿が素敵に見えました。
[cinema] 『この夏の星を見る』
辻村深月さん原作小説の映画化。コロナ禍であらゆる活動が制限されていた中高生の群像劇でした。制服を着た中高生の顔はみんな同じに見えるのですが、物語が進むにつれて一人一人のそれぞれの事情や気持ちが迫ってきます。