[cinema] 『王国(あるいはその家について)』
2024年03月04日 20:57更新
上田映劇で上映の後、草野なつか監督と鈴木徳至プロデューサーによる舞台挨拶があったので見に行きました。
作品は冒頭と最後のフィクション・パートと間に挟まれたノンフィクション・パートで構成されていました。舞台挨拶で草野監督が語っていましたが、役者さんが本読みから稽古を通じて役柄を獲得していく過程を丁寧に撮影しています。プロの役者さんということもあるのでしょうが、台本を手にしながらの本読みの段階からすでに役柄のリアリティが漂い、逆に稽古が進んで身振り手振りや表情がついた後半の方が作り物ぽい雰囲気が漂ったのは新鮮な発見でした。草野監督も語っていましたが本来演技やカットに正解はなく、作品として公開される映画は複数の素材からたまたまベストであるとして選ばれた映像の羅列であるということが良くわかりました。非常に実験的な作品でしたが映画が違った見え方になる作品でした。