[cinema] 『orange -オレンジ-』
2015年12月27日 23:23更新
長野県松本市を舞台に高校生の恋と友情を描いた物語。
松本市内のあがたの森公園や縄手通り、城山公園、桜の弘法山と、観光スポットど真ん中から少しだけ外れた、地元の高校生も観光客に混じって繰り出すかもしれない場所で日常感を醸し出す一方で、気がつかない程度にVFX(コンピューターグラフィックスなどの特殊効果)をかけて実は現実には存在しない物語の幻の世界を描き出す演出が上手いなと感嘆しました。リアルなようでファンタジー、ファンタジーのようでリアル。上手に騙して虚構の世界に誘ってくれる映画でした。
ただ原作が十代の中高生をターゲットにした少女コミックだからでしょうか? 高校生の主人公がやり直したいと深く後悔している未来が「十年後の二十六歳の私」。バブル景気も失われた十年(二十年?)も通り過ぎてしまったおっさんからすると「十歳の年齢の違いなんて誤差!」、「十六歳も二十六歳も前後賞!」と映画を見ながら思ってしまって、感動的なはずのラストシーンを、ちょっと微笑ましく見てしまいました。 ^_^;