[cinema] 『[窓] MADO』
団地の近隣トラブルから裁判にまで至った実話を元に製作されたインディーズ系の作品でした。私が子供だった数十年前は、職場や公共の場、家庭内でスパスパとタバコを吸うのは当たり前の時代。喫茶店は一服するための場所だったのですが、スターバックスカフェが全面禁煙を全面にして日本に進出したときは驚いたものでした。私の父もヘビー・スモーカーだったのですが、あるときタクシーに乗って運転手さんに断ってタバコを吸い始めたところ運転手さんも一緒になって吸い始めたので堪らん!と思ったのも今は昔の話です。
本作で長編映画監督デビューとなった麻王さんは近隣トラブルで訴えられた側の家族。すでに家はでていたため直接の当事者ではないのですが、家族や裁判の報道を通じて知った事実を元にトラブルから引いた視点で作品を構成していました。
化学物質過敏症過敏症はまだ詳しい原因や治療方法は解明されていないのだそうです。症状に苦しむ人がいる以上、対策して改善すべきはそのとおりなのですが、被害者がいるから加害者がいるのか?加害者がいたとしてそれは一人であったり一つの家族だけなのか? 被害を訴える人の気持ちは汲みたいし、さりとて無関係な方向に向かっていっても不幸は解決しないし、無関係か否かもわからない。そんな悩ましい内容を問題提起していました。
映画の上映前に西村まさ彦さんによる朗読劇、上映後には麻王監督と西村まさ彦さんによる舞台挨拶とトークショーがありました。
映画の主旋律として、実際の裁判のなかで提出、公開された原告家族の日記が使われているのですが、西村まさ彦さんがこの日記を読み上げるというものでした。日記の前半の内容はどこにでもありそうな珍しくもない小さな幸せが書き記されているのですが、それが娘さんの病気によって家族も蝕まれていく様子が綴られていて胸が苦しくなりました。当事者だけではなく、ちょっと距離を置いた第三者がお節介で関わることができる仕組みが築けないものかと考えてしまう内容でした。
善光寺の桜
映画が始まるまでに時間があったので近くの善光寺周辺をぶらぶらと散策しました。
善光寺の境内の桜は満開でした。
長野県立美術館の周囲の街路樹のソメイヨシノも見事でした。
城山公園へと向かう道には屋台も並んでいましたが、わたしはここでUターンしました。
県立美術館の屋上テラスから見た善光寺。