[cinema] 『教育と愛国』
2022年08月16日 01:14更新
MBS毎日放送のドキュメンタリー作品の映画化。近年の政治の教育への干渉を丁寧な取材で描いた作品でした。小学校の道徳の教科書に掲載されたパン屋さんのエピソードが検定意見の結果、忖度の末に和菓子屋さんに書き換えられるという内容から始まります。これだけを切り出すと滑稽としか感じられない内容ですが、教育を介して、もしくは教育を足がかりにして社会の多様性に対して一つの色に染め上げようとする人たちの執拗な工作と時に攻撃を薄寒く感じた内容でした。映画の終盤、愛国教育を推進する東大の先生がインタビューに答えて「日本は共産主義や近隣諸国から攻撃を受けている」と話していましたが、この「攻撃を受けている」という認識を振りまいて、客観的に見ると支離滅裂な運動を推進していることに薄ら寒さを感じました。