ちはやふる日記


[cinema] 『ドライブ・マイ・カー』

2022年02月23日 06:35更新

公開直後に観に行こうと思っていたのですが、そのうちと思っている間に公開が終わってしまいました。カンヌ国際映画祭受賞やアカデミー賞ノミネートに伴う再上映を受けて、慌てて映画館へ見に行ってきました。

大林宣彦監督が映画を "slice of life (人生の断片)" の積み重ねで描く芸術だと評していましたが、まさに "slice of life" を地でゆく作品でした。一見何気ない会話や日常の風景を描きつつ、そこに深い意味や美しい瞬間を切り取っていく手法は卓越していました。映画の中で描かれる劇中劇が時間が行ったり来たりするような不思議な感覚を呼び起こしてエンドロールのあとに長く余韻を残す作品でした。

物語の中で重要なドライバーの役を演じる三浦透子さんは2011年のテレビドラマ『鈴木先生』の中で酢豚の好きな中学生を演じていて強く印象に残っていました。2011年は東日本大震災が発生した年。テレビは毎日、津波被害と原発事故の続報を伝えていて、バラエティー番組も歌番組もスポーツ中継も、そしてテレビドラマも中止されていたのですが、そんなエンターテイメントへの渇望の後に放送された意欲的な作品『鈴木先生』の中で光っていた俳優さんでした。土屋太鳳さんの名前もこのテレビドラマで覚えました。

タバコを燻らす仕草がとてもかっこいい俳優さんになっていて、びっくりしました。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』にもヒロインの親友役として出演して今後の活躍が楽しみですね。



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