[cinema] 『ティファの手紙』
2020年12月01日 10:12更新
手紙の交換から始まる予期せぬ、すれ違いと再会の物語。「文字や声が相手に届くこと」と「気持ちが相手に届くこと」は必ずしも一緒ではないことなのですが、相手に届かないもどかしさを「手紙」というノスタルジックな手段で象徴的に描いていて面白かったです。あざなえる縄のごとき禍福も時がゆっくりとカクテルして癒していく姿を抒情的に描いた素敵な作品でした。
1995年公開の映画『Love Letter』のアンサーストーリとなっている本作品では、初恋の記憶や不慮の別離などのモチーフが踏襲されています。ただ1995年当時には存在していたポラロイドカメラがデジタルカメラに置き換わり、固定電話はスマートフォンに。35年の歳月を感じました。