[cinema] ちはやふる - 上の句 -
2016年03月22日 15:15更新
ブログのタイトルやTwitterのアカウント名は落語の演目「ちはやふる」からとった名前なのですが、同名のコミックスが実写映画化されたので公開初日に見に行ってしまいました。^_^;
舞台は競技カルタの世界。高校生の青春ストーリーに、百人一首の雅な世界と競技のスポ根的世界が重ね合わされて面白い作品に仕上がっていました。映画であれば主人公の心の動きを丁寧に描いていくのが定石なのでしょうが、広瀬すずさんが演じる主人公の千早ちゃんはカルタの試合が終わると燃え尽きて眠り込んでしまう女の子。珍獣をみるような面白さや可愛らしさはあるのですが、自分の気持ちと照らし合わせて感情移入するのは難しいキャラクターとして描かれています。ただ、この映画の脚本がうまいところは主人公の女の子をとりまくカルタ部の部員達の逡巡や焦りや嫉妬を丁寧に描いているところ。主人公の女の子は無垢な子供のような姿で描きつつ、周囲の登場人物の陰翳を描くところで観客の感情移入を誘う上手い筋立てだなと思いました。前編(上の句)と後編(下の句)の二部構成のようですが、いまから下の句が楽しみです。