ちはやふる日記


[cinema] 『オッペンハイマー』

2024年04月13日 01:44更新

クリストファー・ノーラン監督による「原爆の父」と呼ばれたロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた伝記的作品を仕事終わりにレイトショーで鑑賞しました。

核分裂反応や原爆を想起させる『幻影』のような映像表現には違和感がありましたが、原爆の被害を直接的には描いてはいないものの、オッペンハイマーの視線の先でどのような悲劇が起こったかを想起させるには十分な説得力をもった作品だったと思います。

第二次世界大戦を終結に導いた科学者としての成功と、その後のレッド・パージによる凋落を個人の問題として描いていますが、政治家や軍人、原爆開発に協力・推進した科学者の中でも人類、もしくは敗戦間際の日本に対して使用することに反対する人たちなど、さまざまな角度から原爆という人が産んだ悪魔を描いていて興味深かったです。悪魔を憎む人もいれば悪魔を手懐けることができると思っている人もいる。そして悪魔そのもののような人もいる。その線引きは難しいですが大事なことだと感じました。



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