ちはやふる日記


[cinema] 『わたのはらぞこ』

2025年08月05日 09:30更新

疲れてしまい表情を失った女性が旅先で袖振り合った人たちとの関わりの中で徐々に感情を取り戻していくストーリでした。俳優さんが脚本を演じたフィクションですが、上田市に実在するちょっと困ったときに一泊千円で宿泊場所を提供する「やどかりハウス」の運営や、学校に行きたくない子どもの居場所として映画館で上演会を開く「うえだ子どもシネマクラブ」の取り組みを取材して当て書きして脚本をつくっていったということで、信州上田の風景とも相まってリアルな映像になっていました。主人公の女性に何があったかは描かれていませんし、映画になるような大きな出来事はなかったのかもしれない。助けます/助けられますといった一方的な関係ではなく、自分の焼いたパンの感想を聞きたいだけだったり、自分のリリックを聞いて欲しいだけだったり、大好きな化石について語りだけだったり、しかしそんな関係のなかで回復していく姿が素敵に見えました。


「わたのはらぞこ」舞台挨拶

上映の後には、監督、脚本、出演をつとめた創作ユニット「点と」の加藤紗希さんと豊島晴香さんを司会に、やどかりハウスコーディネーターの秋山紅葉さんと精神科医、ミュージシャン、文筆家の顔を持つ星野概念さんによるアフタートークが行われました。ちゃんとしすぎない、緩やかな人間関係について素敵なお話を秋山さんが話され、加藤さんと豊島さんが話を拾っていましたが、星野さんがやどかりハウスのある「犀の角」でリモートワークをしている最中に、壁の向こうでフラメンコの練習が始まったエピソードが不思議に印象に残りました。😅



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