ちはやふる日記


[cinema] 『教皇選挙』

2025年03月29日 10:36更新

『教皇選挙(原題:Conclave)』をレイト・ショーで見てきました。まさに極上のミステリーでした。ローマ教皇の死去から次の教皇が選出されるまでの時間をバチカン、そしてシスティーナ礼拝堂という限られた空間で切り取って描いています。バチカンの外の世界をカメラが映しているわけでもなければ、長い時の流れを描いているわけでもないのですが、そこには今の私たちの世界の空間と時間の全てをギュギュッと濃縮した巧みな演出でした。望まずしてコンクラーベを取り仕切ることになった主席枢機卿ローレンスが「確信という罪」について語る件が印象的でした。物事に対して断定的であったり、単純化して即断即決することが持て囃される現代に、疑念を捨てないことの大切さを思い知らされました。人を信じることが大切だとしても、そこに白紙委任と自らの決断への責任の放棄が含まれてしまうのだとしたら、常に立ち止まって振り返る苦痛に耐え続けなければならないのだと感じました。


[cinema] 『Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014』

2025年03月15日 19:52更新

2014年に坂本龍一さんが自ら指揮、演奏して東京フィルハーモニー交響楽団と共演したコンサートの響きを映画館の音響で堪能してきました。ライブ・コンサートでは休憩を挟みながらの演奏だったのでしょうが、映画館で119分間ほぼノンストップの演奏はお腹がいっぱい、胸いっぱいになりました。

一つだけ蛇足の感想。一番印象に残った曲、もしくは記憶の底から呼び出された曲は "Ballet Mécanique" でした。1986年の坂本龍一さんのアルバム『未来派野郎』に収録、後に中谷美紀さんが歌詞をつけてドラマ主題歌としてヒットしたのも今は昔。オケストレーションされた "Ballet Mécanique" も感動的でした。


[cinema] 『ファーストキス』

2025年02月18日 20:14更新

主演は松たか子さんと松村北斗さん。松たか子さんが演じる主人公が夫の事故死を回避するために現在と過去を行ったり来たりするファンタジー。 細田守監督版の「時をかける少女」の主人公の少女をちょっとなぞったような松たか子さんのコミカルな演技が素敵でした。 松たか子さんのイメージは、いまだに岩井俊二監督の『四月物語』の印象を引きずっていますが、高校生は無理があっても大学院生くらいの年齢であれば十分に違和感がない姿に感動しました。 松たか子さん演じる主人公が15年前の過去に遡っていることを示す演出として、ガラケー(折りたたみ式携帯電話)でわかってしまうのが面白いですね。

Read more...


[cinema] 『とりつくしま』

2025年01月19日 19:10更新

上田映劇で映画『とりつくしま』をみてきました。上映の後には東かほり監督とプロデューサーの市橋浩治さんによる舞台挨拶がありました。

物語は亡くなった人が生前に思いを残した相手の身近なモノに取り憑いてそっと見守るというファンタジー。 舞台挨拶で東監督はファンタジーにしたくなかったと言っていましたが、死んだ人の魂がモノに取り憑いてずっとずっと話しているのだからファンタジーです。 ただテーマに死を扱っているにも関わらず、湿っぽいさがなく、お日様に干した真綿のお布団のようにフカフカだけれどカラッとした温もりが漂ってくる作品でした。 モノに取り憑いた人がこの世に残った人の暮らしを眺めながら時にクスりと笑いを誘うようなことを独り言として呟いているのですが、心霊現象を引き起こすこともなく 生者にメッセージを伝えるわけでもないためリアルと言えばリアルです。本当に亡くなった人がどこかでそっと見守ってくれているのではないか?と思わせてくれる設定でした。

東直子さんの11編からなる短編小説集から4編をピックアップして娘の東かほりさんが監督したそうです。4編どれも面白かったのですが、冒頭のトリケラトプスのお話でグイッと物語の世界観に引き込まれて、最後のロージンのお話で感動を誘う。野球のピッチャーが握るロージンで感動するとは思いもしませんでしたが、その思いもしないところに心を持って行かれたことにしてやられたと思いました。


[cinema] 『366日』

2025年01月19日 07:24更新

HYの名曲『366日』からインスパイアして製作された映画。べったべたのラブストーリーでしたが沖縄の美しい風景と今をときめく若手俳優陣が素敵に彩っていました。映画「世界の中心で、愛をさけぶ」ではカセットテープのウォークマンやラジカセが印象的な小道具として登場しましたが、本作品ではMD(Mini Disc)と有線のカナル型イヤホンがキーアイテムでした。懐かしいものも時代と共にシフトしていくのですね。😅



更新

連絡先 (E-Mail)

mail address