ちはやふる日記


[cinema] 『とりつくしま』

2025年01月19日 19:10更新

上田映劇で映画『とりつくしま』をみてきました。上映の後には東かほり監督とプロデューサーの市橋浩治さんによる舞台挨拶がありました。

物語は亡くなった人が生前に思いを残した相手の身近なモノに取り憑いてそっと見守るというファンタジー。 舞台挨拶で東監督はファンタジーにしたくなかったと言っていましたが、死んだ人の魂がモノに取り憑いてずっとずっと話しているのだからファンタジーです。 ただテーマに死を扱っているにも関わらず、湿っぽいさがなく、お日様に干した真綿のお布団のようにフカフカだけれどカラッとした温もりが漂ってくる作品でした。 モノに取り憑いた人がこの世に残った人の暮らしを眺めながら時にクスりと笑いを誘うようなことを独り言として呟いているのですが、心霊現象を引き起こすこともなく 生者にメッセージを伝えるわけでもないためリアルと言えばリアルです。本当に亡くなった人がどこかでそっと見守ってくれているのではないか?と思わせてくれる設定でした。

東直子さんの11編からなる短編小説集から4編をピックアップして娘の東かほりさんが監督したそうです。4編どれも面白かったのですが、冒頭のトリケラトプスのお話でグイッと物語の世界観に引き込まれて、最後のロージンのお話で感動を誘う。野球のピッチャーが握るロージンで感動するとは思いもしませんでしたが、その思いもしないところに心を持って行かれたことにしてやられたと思いました。



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