ちはやふる日記


[cinema] 『教皇選挙』

2025年03月29日 10:36更新

『教皇選挙(原題:Conclave)』をレイト・ショーで見てきました。まさに極上のミステリーでした。ローマ教皇の死去から次の教皇が選出されるまでの時間をバチカン、そしてシスティーナ礼拝堂という限られた空間で切り取って描いています。バチカンの外の世界をカメラが映しているわけでもなければ、長い時の流れを描いているわけでもないのですが、そこには今の私たちの世界の空間と時間の全てをギュギュッと濃縮した巧みな演出でした。望まずしてコンクラーベを取り仕切ることになった主席枢機卿ローレンスが「確信という罪」について語る件が印象的でした。物事に対して断定的であったり、単純化して即断即決することが持て囃される現代に、疑念を捨てないことの大切さを思い知らされました。人を信じることが大切だとしても、そこに白紙委任と自らの決断への責任の放棄が含まれてしまうのだとしたら、常に立ち止まって振り返る苦痛に耐え続けなければならないのだと感じました。



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