ちはやふる日記


[event] PyCon APAC 2023 2nd day

2023年11月05日 12:39更新

PyCon APAC 2023 の2日目も朝から参加しました。

東京ビッグサイトでは東京モーターショーからコロナ禍で名前を変えてジャパンモビリティショーが開催されており、長い待機列ができていましたが、さっさと流れから外れて会場のTOC有明に直行しました。

聴講したセッションは次のとおりです。

Keynote "Through the looking glass: 10 years of Python Organizing Lessons and Tribulations" - Lorena Mesa さん

Pythonソフトウェア財団 (PSF : Python Software Foundation) の元会長(chair)、元理事(board member)のロレーナ・メサさんによる基調講演。基調講演やアジア各国のコミュニティーとの打ち合わせをこなしつつ、「日本に来てかわいいパンダを見ました。」、「広島も訪れました。」とアクティブに動き回る体力オバケぶりに感嘆しました。"Obama for America" の選挙運動に参加してデータサイエンスで有権者の動向を分析してオバマ氏への投票呼びかけに繋げた話。当時、男性中心のコミュニティーであったシカゴ大学の ChiPy から, PyLadies を立ち上げた話。社会を改善するツールとして IT を駆使して奮闘するお話を伺いました。一方で、フェイクニュースやプロプライエタリな広告アルゴリズムによる情報の操作、社会の分断の弊害に対してIT技術者がより高い倫理をもって、医師や法律家と同じように倫理的な宣誓や行動規範が必要ではないか?という意見が述べられました。

組織運営の話題というと「活動資金が足りません。みなさんご協力ください」というお願いに慣れていたのですが、「助成金(Grants)はあります」、「助成金の活用がまだまだ足りません」という内容でびっくりしました。「PSFには弁護士もいます。」、「助成金の申請書の書き方も丁寧に説明するので声をかけてください。」と積極的な活動に感心しました。 Python も IT もあくまでツールで、そのツールをつかって社会を良くしていこうという情熱に感銘を受けました。


"Pythonで一歩踏み出すバイナリの世界" - Rei Suyama さん

文字コード(UTF-8) を題材に、Pythonでバイナリを扱う方法をわかりやすく説明する内容でした。


"Debugging and Troubleshooting Python Applications: Leveraging Visibility and Observability to Solve Problems Faster" - Neeraj Pandey さん

Python のデバッグを TRACING", "METRICS", "LOGGING" の三要素で解決する内容を整理して、優しく説明されていました。


"Unleashing the Power of LIDAR with Python" - Phillip Andrew Espina さん

PyCon

LiDARから得られる大量の三次元データを上手に Python で前処理することでデータを扱いやすくするノウハウを説明されていました。 LiDARに限らずセンサーから得られる大量のデータの下ごしらえとして重要なノウハウだと感じました。


"Pythonだけでクロスワードパズルを自動生成 〜自然言語処理・組合せ探索・Webアプリ開発〜" - 馬嶋 海斗 さん

クロスワードパズルを Python で自動生成する内容。インターンシップで日経新聞社で働いていたときの成果を、入社一年目で発表しているとのことでした。インターンシップの課題ということで日経新聞者のニュース用語のデータベースを駆使していたりと将来的には人間のクロスワード制作を凌駕しそうなポテンシャルを感じました。


"Automating Victory: Beating browser games with accessible Python" - Jon Gaul さん

マインスイーパーをさらに複雑にしたパズルゲームをPyScriptに解答させる内容。実用性のない才能の無駄遣いですが、このノウハウを応用すれば、Webアプリのバグ管理システムでも工程管理システムでも Python で自動化させるのは訳ないと感じました。


PyCon

次回2024年開催のPyCon APACの開催地としてインドネシア ジョグジャカルタが発表されました。インドネシアから大勢のコミュニティーメンバーがやってきていました。こうして持ち回りで開催することで色々な国や地域が繋がっていく仕掛けが素敵だと感じました。



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