ちはやふる日記


[event] PyCon APAC 2023 1st day

2023年11月05日 11:31更新
PyCon

プログラミング言語 Python の 国際カンファレンス 1日目に参加したレポートです。カンファレンスの発表内容に対しての私個人の感想や誤解、曲解も多分に交じっていますのでご了承ください。

日本での Pycon APAC (アジア太平洋地域) の開催は2013年以来の10年ぶり。2014 台湾、2015 台湾、2016 韓国、2017 マレーシア、2018 シンガポール、2019 フィリピン、2020 マレーシア、2021 タイ、2022 台湾と一巡しての開催となっています。今回 PyCon 初参加だと勘違いしていたら、コロナ禍前の 2019年 の Pycon JP に参加していました。そうは言いつつ、コロナ禍で中断していた国際カンファレンスに参加して大いに刺激を受けました。長野県松本で開催された Ruby Kaigi 2023 よりも東京開催の地乗りがあったのか? タイミング的に有利だったのか? 国際色豊かなカンファレンスでした。 LT (Lightning Talks) の発表者も国際色豊かで、司会進行の人が名前を呼ぶのに苦労していました。地域や国境を越えて Python を軸に繋がる心地よい空間でした。


初日に聴講したセッションは次のとおりです。


Keynote: "Why University Teachers Wrote a Python Textbook?" - Hajime Kita さん

京都大学の教養課程の1年生に向けて Python の教育コンテンツ(教科書)を製作して大学のホームページから一般にも広く公開するに至ったお話を拝聴しました。

逆転学習, SECI(セキ)モデル, ARCSモデルなど教育プログラム設計のキーワードとなる用語をたくさん説明していただき勉強になりました。教え方にもテクニックや理論が必要で、そしてテクニックや理論の背景の目的や理由もちょっと垣間見ることができた気がします。

"x = x + 1" のPythonのソースコードを見た学生が方程式だと思って学習が行き詰ってしまう話は微笑ましいと言えば微笑ましい内容なのですが、そこで学習を諦めてしまっては目的が果たせないと先生方が様々な工夫をしていらっしゃるお話に頭が下がりました。

二重ループの説明に、京都の東西の通りの名前を組み合わせた地名「四条河原町」とか「五条烏丸」を使っているというのはご当地感がでていて面白かったです。「烏丸」は他県では読めないかもしれませんね。ちなみに私が専門学校の授業で二重ループを教えたときは干支十二支を使いました。干支(甲、乙、丙、丁…)と十二支(子、丑、寅、…)をループを回して繰り返すと『丙午』とか『甲子(園)』の組み合わせが60年で一周するというのは、そこそこ生徒さんの反応がありました。


"Reproduce Evangelion Timer on browsers using PyScript" - Scotty Kwok さん

PyCon

2021年にシン劇場版で完結した某人気アニメの活動限界タイマーをPyScriptをつかってWebブラウザ上で精緻に再現する内容でした。Webブラウザ上でSVGを組み合わせてで表現した画像を「ここまで高速に描画ができる!」という説明がとても印象的でした。そして本編のアニメーション動画の再現度がオリジナルを越えていました。


"Pythonはどのようにデータベースと繋がるのか" - Shintaro Matsudo さん

mysqlというキーワードは耳に残っているのですが睡魔に襲われる時間帯だったので… 😅


" I convinced my old high school to offer a Python Programming class! " - Niño R. Eclarin さん

インドネシアで無償のプログラミング教室を開催したお話。HTMLの講義から始まって現在はPythonを教えています。とのことでした。先生も生徒も「仕事に繋げる」という目的意識の高さを感じました。


" Using Python for Disease Variant Analysis" - Haque Ishfaq さん, Atia Binte Amin さん

Pythonの統計分析ライブラリを駆使して COVID-19 の感染者数を推定、予想した内容。発表後の質疑応答がとても盛り上がったのが印象的でした。


"実録 Python Social Auth の Twitter OAuth APIマイグレーションプロジェクトとその教訓" - Takanori Koroki さん

イーロン・マスク氏が旧Twitter/現Xを買収した直後から矢継ぎ早に発表されたAPIの有料化や旧APIの廃止などに対応するために忙殺されたお話。CfPで採択されたあともサービスの改廃や有料化が次々に打ち出されて、まだまだホットな話題でしたが、特定の企業やサービスに依存するリスクを思い知らされました。


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