[snowshoe] 樹氷のメルヘン街道 スノーシュー・ウォーク
高見石小屋に一泊して北八ヶ岳二日目。晴天に恵まれて樹氷と八ヶ岳ブルーを満喫した最高のスノーシュー・ウォークとなりました。これだからやめられません。^_^;
高見石小屋の朝食です。山小屋には珍しく洋食(パン)です
準備を整えて高見石小屋を出発します。写真を見ればわかる通り、みなさん完全冬山防寒態勢です。この日の朝はマイナス15度でした。準備の最中はハッキンカイロが大活躍。ハイパワーのハッキンカイロでかじかんだ指を温めながらなんとか出発準備を整えることができました。
小屋の前にはテントも二張り立っていました。夜のあいだに雪が降ったようですが、テントの上には雪が積もっていないということは中の人はまだ暖かいということですね。^_^;
前日に白駒池も堪能したので麦草峠への最短ルートである丸山を経由して北横岳方面へ抜けました。この丸山が今回のルートの最高地点ですが展望もイマイチだし、感慨もないまま素通りしました。
前日に降った雪で登山道もふかふか。登りであればラッセルに苦労したと思いますが、丸山からずっと下りっぱなしだったので、消えかけたトレースを辿りながらスノーシューで楽しく滑り降りました。
「マスクをしなければ5分で肺が腐ってしまう死の森…」
ではなくて木の上に降り積もった前夜の粉雪が風で舞い落ちて、差し込んだ朝日に照らし出されている光景です。神ってます。^_^;
麦草ヒュッテに到着。宿泊したお客さんはすでに出立した後のようで、山小屋の人が薪を小屋の中に運び入れる作業をしていました。
水蒸気をあげる浅間山
前夜の雪が綺麗なお化粧をしていて美しい雪面を作っていました。
メルヘン街道(国道299号線)にでました。雪のないシーズンは車でさっと通り抜けてしまうところですが、夏の景色が思い出せないくらいの別世界でした。道路の広さで空が開けているので陽の光に照らされてとても明るい道でした。ただ風の通り道にもなっていて日陰に入ると随分と寒かったですが…
樹氷の森の向こうには御嶽山。写真を撮ってばかりいると、なかなか先に進めない、嬉しい悲鳴です。
茶臼山が正面にで〜ん。山の稜線を辿るルートもあるのですがアップダウンは避けて麓を道を辿ります。ときたまロープウェイ方面から来た登山者とすれ違いますが、基本的に静かな道でした。
五辻の東屋に到着。ここでしばらく休憩しました。
写真では伝わりにくいですが雪の上の小さな氷のかけらに朝日が反射して、とても綺麗でした。
雪道歩きの途中でみつけた野鳥。声はすれども姿は見えず、ということはよくあるのですが、この日は風も吹いていないのに、木の上からパラパラと雪が落ちてくるので野鳥の姿を発見することができました。
縞枯山が正面にど〜ん。
絵葉書にしたくなるようなプライスレスな樹氷の風景でした。
写真を撮りながらのんびり先に進みます。ここまでくるとすれ違う登山者も増えて来ました。
北八ヶ岳ロープウェイの頂上駅前まで帰り着きました。ゲレンデのトップとなるこの場所は、スキーヤーやボーダー、登山者と三脚を抱えたカメラマンでごった返していました。
坪庭にあがっていく登山者たち。行列になって次から次へ冬山装備の登山者が坪庭から北横岳に向かって上がっていっていました。
ロープウェイの料金をケチったわけではないのですが、下りのバスの時間まで余裕もあったので、ロープウェイには乗らずに登山道を使って山麓駅まで下りました。高見石小屋からロープウェイの山頂まですでに7km前後歩いて来て、結局足が痛くなり少し後悔しましたが、帰り着いて見れば楽しいフィニッシュになりました。
雨氷と霧氷のミルフィーユ。温暖前線が上空を通過したときに暖かな雲から落ちて来た雨粒が地表付近で急激に冷やされて枝にぶつかった瞬間に凍りついてできる現象です。透明な氷がこのあたりの空気が塵一つない綺麗なことを示しています。太陽に照らされてキラキラととても美しい光を反射していました。
無事に駐車場裏の登山道入り口まで下山しました。登山道を一歩降りると数千台の自動車が止まっている下界です。
ピラタス蓼科の建物でストックを畳んだりゴーグルを仕舞ったりと帰り支度を整えさせてもらい、自販機で暖かい飲み物をぐいぐいと2本飲んで一息つきました。
路線バスで茅野駅へ戻ります。いつもは自家用車で来ているので待ち時間が少しじれったかったですが、バスに乗ってしまえば寝ていればよいので、その辺りは楽でした。ただ心残りはバスの本数が少ないため途中下車して日帰り温泉に立ち寄れなかったこと…
今回活躍したハッキンカイロ。バスの中でポケットの中から取り出したら、火傷するほどの高熱でした。山の中では頬っぺたにあてて温まっていたので、それだけ寒かったということですね。
JR茅野駅に到着。スノーシューにピッケルと荷物は多かったですが心は軽くなって帰宅しました。