[event] 第9回 組込みシステム開発技術展 見学記
開催期間 | 2006年6月28日〜30日 |
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会場 | 東京ビッグサイト |
雑感
1年に1度の組込みシステムの展示会「組込みシステム開発技術展(ESEC)」を年休をとって見学してきました。以前は、ICEやマイコンボードが地味に並べられている玄人志向の展示会でしたが、昨今の組込みシステム流行で、あちらこちらでコンパニオンの女性がノベルティーグッズを配っている賑やかな展示会になっていました。
年休を取得しての自腹での見学ですので、あくまで、こういったスタンスの報告です。 ^_^;
会場内の撮影は禁止されていたので、本編はこれまでです。
東京大学 坂村 健 先生 基調講演
講演会場 | 坂村健先生 |
毎年恒例の坂村先生の基調講演ですが、いつ聞いても、並みの落語などより面白いお話を聞かせていただけます。
今年の基調講演で面白かった話は、いかにして "Death Valley(死の谷)" を乗り越えるかということ。"Death Valley" とは、テクノロジーの開発段階から経て、経済的な利益が得られるまでの端境(はざかい)期を指す言葉です。インターネットしかり、Linux(Unix)しかり、基礎研究段階から産業として成熟するまでに30年〜40年かかっている。この儲からない期間にいかにして研究開発投資を継続できるかが、競争の分かれ目である、とのお話が興味深かったです。昨今の株主優先主義やROIなどとばかり言っていては、この Death Valley は乗り切れそうにありません。
また、T-Engine の開発動機を語った部分も興味深かったです。士農工商組込み技術者、確かに組み込み技術者は開発の底辺に位置し報われることのない職種です。六本木ヒルズに暮らす組込み技術者というのは聞いたことがありません。IT分野であれば、ノートPCとネットワーク環境一つで世界中どこでも仕事ができるが、組込み開発は、なかなかそうはいかない。
そこで、T-Engineを開発し、小さな開発環境で、リゾート地でも山の上でも仕事をできるように目指しました、というのは非常に心強い発想だと思いました。
帰途
時間があるときは、いつもビッグサイトの脇の桟橋から発着している水上バスで日の出桟橋まで帰ります。もうちょっと遅い時間だと、都心の夜景が綺麗なのですが、この日は、次の日の朝から打合せがあったので、早めに見学を切り上げました。
水上バス |
水上バスからみた東京都心 | 水上バスからみたレインボーブリッジ |