MacBook Pro 2019 バッテリー交換

五年前に購入したMacBook Proのバッテリー交換にチャレンジしました。Apple社にバッテリー交換を依頼すると高額になることもDIYでバッテリー交換を試みた理由の一つですが、三週間程度かかる預かり期間中にMacが使えなくなることが不便極まりないため、準備から完了まで一日がかりの大仕事になりましたが、勉強も兼ねてのんびり交換作業を楽しみました。パソコンはモノがあれば良いだけではなく、自分なりの環境設定が大変なのでハードウェアも含めてお世話することにしました。
キットにはバッテリーの他にペンタローブ(星型)ドライバーやこじ開け用のプラ工具などが詰め合わせになった至れり尽くせり製品でした。これで ¥9,790-。正規交換料金の 1/4 でした。

交換作業の最初の難関がタッチパッドの取り外し作業でした。 裏蓋取り外しは一年前にファン清掃のために試していたためコツを掴んでいましたが、タッチパッドの取り外しが想像以上に大変でした。 ネジの数が9本と多いのですが、さらに各ネジに小さなワッシャーがついていて、息を吹いて埃を払うだけで飛んでしまう繊細な部品でした。 事前に交換方法を説明する動画で予習して注意しながら作業を進めたのですが、途中で1枚紛失して焦りました。 タッチパッドは取り付けのときもハマりました。ネジを閉めた後に念のために押してみたところクリック感がない! 最新の感圧方式のタッチパッドは "Taptic Engine" と呼ばれる写真の金色の部品がソフトウェアの命令で振動することで、擬似的にクリック感を出していることを思い出してネジを締め直しました。そんな繊細な部品なので9枚のワッシャーのうち、1枚でも紛失すれば大変なことになるところでした。

バッテリーの一つを本体(アルミ・フレーム)から引き剥がしたところ。
バッテリー交換もリサイクルも拒絶するかのように強力な両面テープで固定されていました。😅

今回のバッテリー交換作業の殊勲賞はシール剥がし剤でした。バッテリー交換セットにこの剥がし剤はふくまれていなかったのですが必須でした。
最初、文具売り場で「強力粘着剤はがし」を購入したのですがプラスチックを溶かしてしまうことに気がついて、あわててホームセンターで同メーカーの「シール剥がし剤」を追加購入しました。

慎重に全てのバッテリーを本体から引き剥がした様子。
剥がし剤なしでも慎重に作業すれば両面テープを引き剥がすことはできそうでしたが、剥がし剤を隙間から少しずつ流し込んで粘着剤が溶けるのを待ってから作業するのがコツでした。
なので、タッチパッドを事前に本体から取り外しておくことが必須の作業でした。

年末の歌番組を見ながら、のんびりと両面テープの貼り跡をクリーニングした様子。
ここまでの作業に比べると難易度は格段に易しいのですがシール剥がし剤の有機溶剤臭が部屋の中に充満しました。
シール剥がし剤を拭き取ったボロ布はそのまま玄関に放置しました。ビニール袋に密閉しても溶けそうだったので… 😱

分解作業中の精密ネジ。数が多いし種類が多いし、確実い元に戻せるように最新の注意を払いました。
今回の交換作業でもうひとつ重宝したのが『スパっジャー(Spudger)』と呼ばれるプラスチック製の引き剥がし工具。
これまでこういった作業は焼き鳥用の竹串を使っていたのですが、平面に加工された先端が小さな小さなコネクターから垂直&平行にフラットケーブル(FFC)を取り外すのに有効でした。
勉強不足で知りませんでしたが歴史がある工具のようです。
iFixit: Two Million Spudgers Sold and Counting
こちらのページもとても参考になりました。いろいろな種類のケーブル・コネクターがあるのですね。
iFixit: ケーブルコネクタの識別と接続の外し方