ドラマ 『海に眠るダイヤモンド』
2024年12月31日 09:11更新
長崎県 端島(軍艦島)を舞台に戦後の経済復興を担った石炭産業の興亡と現代をつないで描いた壮大な世界観のドラマでした。
日本で最初の鉄筋高層住宅が建設され繁栄を極めた端島。一方で石炭を掘るためだけのために岩礁の上に築かれた離島の街であるが故に水道がなかったり緑がなかったりという不便さも抱えていた背景を巨大なセットやCGを駆使して丁寧に描いていた作品でした。
登場する俳優陣も神木隆之介さん、杉咲花さん、土屋太鳳さん、池田エライザさん、斎藤工さん、…と超豪華。そしてベテランの宮本信子さんと國村隼さんが登場すると画面がピリッとしまって映画を見るようでした。個人的には尾美としのりさんが演じる、ちょっと優柔不断で頼りない二代目社長が最後にハマりました。
戦後日本の経済復興、高度経済成長をノスタルジーで「あの頃は良かった」と一面的に描くのではなく、戦争の傷跡や劣悪な労働環境、鉱山企業と炭鉱夫の軋轢など影の面も描き、しかし人と人の繋がりに希望を見出している素敵なドラマでした。