[cinema] 『ナギダイアリー』
2026年09月28日 07:58更新
NHK朝ドラ『ブラッサム』が始まると、私の感想がドラマのイメージが引き摺られるだろうと思い、その前に映画館で鑑賞しました。
石橋静河さんが演じるワケありの建築家は仕事を休み元夫の実家を訪れます。元夫の実家では家を継いだ元義姉の彫刻家が穏やかに暮らしています。彫刻家を演じる松たか子さんが粘土を捏ねたりチェーンソーで丸太を荒彫りしたりノミを奮う姿が本物の彫刻家にしか見えなくて感心しました。ひらひらとした都会のファッションで田舎に訪れた石橋静河さんが演じる元妹と松たか子さんが演じる作業着姿の元姉の対比も面白かったです。
しかしこの映画では物語の舞台となる田舎を理想郷としては描いていません。地域振興のために誘致した自衛隊の演習場から聞こえる砲撃の音が物語を通じて響いています。松さんが演じるいつもニコニコ笑っている彫刻家も和やかで泰然自若とした立ち振る舞いだけではない感情の渦を心の底に秘めていることが描き出されていきます。
「孤独ではあるが孤立はしていない。孤立はさせない。」 主人公の言葉が静かに染み込んでくる作品でした。