[cinema] 『箱の中の羊』
2026年06月20日 14:33更新
是枝裕和監督の最新作を14日のTOHOシネマズデイで見てきました。
7歳の息子を亡くした夫婦のもとに息子にそっくりのヒューマノイドがやってくるお話です。綾瀬はるかさんが演じる建築士は周囲の森や木の建材といった自然を生かした空間でありながら、どこか無機質で冷たさを感じる自宅を仕事場にしています。その建築士の仕事はスタイリッシュでスマートな生き方の体現であるように見えます。しかし野呂佳代さんと角田晃広さんが演じる注文住宅の施主の要望に真摯に正面から向き合う中で人間らしい非合理性や矛盾が浮き彫りになっていくところが面白かったです。
映画の冒頭のUNIQLOのCMに登場するような澄まし顔の綾瀬はるかさんと夫や母親と衝突する中で広島弁丸出しの喜怒哀楽がダダ漏れになる綾瀬はるかさんが違和感なく同居している演技が素敵だなと見ていて思いました。
義理と人情と感性と直感だけでは、この高度に文明が発達した社会を渡っていくには難しく、しかし、論理と合理性だけで進む道を選んでいては虚しい。そんな難しい時代を生きる私たちに何かのヒントを与えてくれるのかな?とちょっぴり希望が残された結末でした。