[event] RubyKaigi 2023 Day3
RubyKaigi 2023 3日目。写真は3階のバルコニー席から見下ろしたまつもと市民芸術館の大ホールです。キーノート(基調講演)になると、この1階席が一杯になりました。混雑が予想されるとボランティア・スタッフのみなさんが "Array#compact でお願いします!" と声かけをして、それを聞いたRubyistたちが nil になっている座席を詰めていったのが RubyKaigi っぽくて楽しかったです。
"Ruby Committers and The World"
青いTシャツを着た Ruby コミッターが壇上に数十人ずらりと並んで、さまざまなテーマについてパネルディスカッションが行われました。10年くらい昔でしょうか? Ruby Committers and The World が初めて開催されたときは朝イチの聴講者もまばらな時間帯に繰り広げられるグダグダなセッションの印象がありましたが、今ではピリッとしたセッションで聴講者も大勢で盛況でした。ただ後半にステージで土下座スタイルのコメント・コーディングが始まって場の空気が緩んだのが懐かしくて楽しかったです。
"Build Your Own SQLite3" Hitoshi HASUMI さん
mrubyから SQLite3 (データベース) を使えるように拡張した内容。
"Ruby vs Kickboxer - the state of MRuby, JRuby and CRuby" Michael Milewski さん, Selena Small さん
RubyKaigi 2023 で最も刺激的で印象に残ったプレゼンテーションでした。
IoTデバイス(Arduino)とサーバーとスマートフォン(Android)の3ヶ所で各々 mruby, CRuby, JRuby を動かして通信させる技術的にはシンプルな内容なのですが、「コロナ禍のロックダウン期間中にキックボクサーの一人スパーリングシステムを作りました」というテーマに沿って楽しくデモが行われました。
プロキックボクサーでもあるSelenaさんのスパーリング風景。ランチタイム直後、激しいスパーリングで一気に眠気が吹き飛ばされました。
"Find and Replace Code based on AST" Richard Huang さん
AST (Abstract Syntax Tree : 抽象構文木) のおはなし。
"Ruby JIT Hacking Guide" Takashi Kokubun さん
JIT (Just In-time) コンパイラのおはなし。
"Rethinking Strings" Kevin Mend さん
String (文字列) のおはなし。マルチバイトの文字コードにおいて、文字列をひっくり返したり、文字を取り出す仕組みの説明。
"Parsing RBS" Soutaro Matsumoto さん
RBS (型定義情報の静的チェックシステム) がどのようにソースコードを解析しているかの説明。