丸窓電車塗装体験会
1927年(昭和2)年に製造され、1986年(昭和61年)まで上田電鉄別所線を走っていたモハ5250型車両。戸袋の丸い窓が特徴的で映画『サマーウォーズ』に登場した通称『丸窓電車』です。現在は別所線 別所温泉駅で保存されているのですが10年に1度の塗装の塗り直しの体験イベントがあったので晩秋の一日参加してきました。
まずは上田駅から別所線に乗車します。いつも自家用車でウロウロしているため、別所線に乗るのは初めてでした。
集合場所の下之郷駅で受付をすますと上田電鉄の名前が入ったヘルメットを渡されました。これが車庫や留置線に入るための通行証代わりになりました。
整備中の電車が入った車庫に入れてもらいます。
整備中ということで幾つかの電装箱は空っぽでしたが、ファンサービスということで蓋を開けて展示していただいていました。
車庫の脇には何だかわからない部品が積まれています。
車両を連結したときにつなぐコネクタもわざわざ開けられています。
車両を人力で押して移動させる体験です。大人4人で軽々と電車が移動します。レールの上を走る電車のエネルギー効率がいかに良いかがわかる体験ですね。
パンタグラフを上げるファンサービス。
引退した東急5200系電車の運転台に乗せていただきます。
パンタグラフの点検台にも登ります。
点検台の上から電車の屋根を撮影したところ。
方向幕に珍しい「団体」を出すファンサービス。
電車の台車を入れ替えるためのトラバーサー。分岐器を設置すると場所を占めるため、簡易に平行移動させるための設備です。
車両のジャッキアップの見学。
車両を持ち上げると台車に刺さるセンターピンが剥き出しになります。電車の「うわもの」は台車に太いピンを刺して載っているだけであることが分かります。
留置線に移動して電車撮影会。
普段は見れない角度から下之郷駅ですれ違う別所線を写真に収めます。
営業線を電車が通り過ぎて行きます。
塩田平の旅情を誘う風景。この日は暖かい秋の日和だったので1時間に1本通過する電車を留置線に止められた車両の中でぼんやりと待っていました。
1時間に一本の電車がやってきました。東急からのお下がりを再塗装して運行しているため、いろいろな車両を見ることができます。
東急を走っていたときの方向幕『蒲田』。
ファンサのため方向幕を次々に切り替えます。次は「多摩川」。私は既に飽きてしまっているのですが、他の参加者にみなさんは要望を出しながら次々に変わる方向幕を写真に収めていました。
「臨時」の方向幕。東急は "EXTRA" なのだそうです。知らんけど…
方向幕にも飽きてきたので犬釘を撮ります。
運転席前方の非常扉を開けて、階段を取り付けるサービスショット。
東急の車両が地下鉄線に乗り入れていたときの名残だそうです。今ではこの梯子の部品も手に入らないと、案内の上田電鉄の社員さんから説明を受けました。
気持ちの良い秋晴れの一日でした。
車庫では鉄道関連の物品販売が行われ、大勢の親子連れや鉄道ファンで賑わっていました。
下之郷駅でのイベントを終えて、別所線で移動します。
別所温泉駅に到着。
丸窓電車塗装体験まで1時間ほどの空き時間があったので駅の近くの日帰り温泉で休憩しました。
入浴したあとはお食事処でエピフライを注文。すっかり眠たくなってしまい、このまま帰ろうかと…
何とか復活して、塗装体験に参加。丸窓電車の周囲には足場が組まれ、シートで囲われていました。
ペンキやローラーなど塗装道具が一人一セットしっかり準備されていました。
丸窓電車は錆び落としと下塗りを終えてマスキングも完了した状態で、ペンキを塗るだけの状態になっていました。
濃紺のペンキを塗ってお色直しが完了しました。
塗装体験を終えて、レトロな別所温泉駅から帰路につきました。
ホームに植えられたカリンの実を写真を収めて体験イベントを締めくくりました。