[trekking] メメント・モリ
長野県小諸市の安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センターにて開催された『大人のトレイル歩き旅講座 2020 ~ 野生動物の痕跡を辿るアニマルトラッキング』に参加してきました。
写真は馬の下顎の骨や歯の形から草食動物の食性の説明を受けている場面です。異歯性という言葉も教わり勉強になりました。歯の形は人間(自分)の歯を見て、前歯や奥歯、八重歯(犬歯)の形が異なるのは当たり前だと思っていました。しかし異歯性は哺乳類や一部の爬虫類だけの特徴で、たとえばカメの歯の形は全て同じであることを実物を見ながら説明を受けることで勉強になりました。
このページの後半に教材の『動物の頭蓋骨や毛皮の写真』を掲載しています。
講座の前半はカンファレンスホールでPowerPointの資料を見ながら講義を受けました。生物学/分類学の『界』,『門』,『綱』,『目』,『科』,『属』,『種』の説明。進化の『適応放散』と『収斂(収束性進化)』の説明など、学校の授業で教わるような内容を興味深く拝聴しました。大人になってこうして、あらためて授業を受けるのは新鮮でした。
授業の後は安藤百福センターの建物を出て周囲を散策しました。生憎の小雨で動物の痕跡を見つけるのはちょっと厳しい天候でした。
群馬県の富岡製糸場と地勢的に近くに位置するこの地域に、明治期に養蚕のための桑畑が広がっていた痕跡がこのような石垣として残っていました。
雨の中で元気に活動しているのはカエルくらい。畑の端に浮いていたカエルの卵を撮影しましたが、グロテスクだったのでモザイクをかけて自主規制しました。😅
氷風穴。養蚕が盛んだった頃に風穴の冷気を使い蚕の孵化の季節を人為的にコントロールしたのだそうです。
安藤百福センターの裏庭に戻ってきました。真ん中に立っているのは高さ7mのボルダリング用クライミングタワー。
カンファレンスホールに戻ると、講師の先生が用意した動物の骨を見ながら食性や生態、寿命などの講義を受けました。
立派なツノのシカの骨がずらりと並びました。
鹿の子柄のシカの皮。
一説にはシカの子供は木漏れ日に擬態しているのだそうです。乙女チックですね。
キツネの皮
ミンクの皮
アザラシの皮。山スキーで斜面を上っていく人たちがスキー板に滑り止めとして貼るものを「シール」と呼ぶことは知っていましたが、語源はこのアザラシ(Seal)の皮なのだそうです。実際に触れさせてもらいましたが、毛の生える方向に流れがあり、前には滑らかに滑るけれども後ろ向けでは抵抗が働くことが体感できました。