信越本線新線を行く 廃線ウォーク
安中市観光機構が主催した碓氷峠 廃線ウォークイベントに参加して来ました。1997年の北陸新幹線(東京 - 長野)開業に伴って廃線となった横川駅 - 軽井沢駅 在来線区間のうち、横川駅から旧熊ノ平駅までの区間は『アプトの道』として遊歩道として整備されて普段から通行できます。一方で軽井沢駅から旧熊ノ平駅までの新線区間は線路や枕木が当時のまま残されており、普段は関係者以外立ち入り禁止になっています。今回は観光イベントとして、ガイドさんが同行して一日限りの開放となるのを知って、喜び勇んで申し込みました。
この日のイベントには全国各地から100名を超える参加申し込みがあったそうです。廃線跡は、とりわけ危険な場所があるわけではありませんでしたが、廃線ウォーク参加者にはヘルメットとヘッドライトの携行が義務付けられていました。多くの方はレンタルしていたようですが、私は登山用のヘルメットとヘッドライトを持参しました。
廃線ウォークの行程は長野県の軽井沢駅から群馬県の横川駅への片道のみでした。そこで朝は長野県内の自宅から一旦群馬県側の横川駅まで自家用車で向かい、横川駅前に車を置いて、JRバスで軽井沢駅のスタート地点へと戻りました。普段は1台しか出ないJRバスもイベントに合わせて2台体制の運行になっていました。バスの車内は、いかにもこれからトレッキング!という服装の人で一杯になりました。
バスは碓氷峠バイパスを通り30分あまりで軽井沢駅に到着。
軽井沢駅前のショッピングプラザにセブンイレブンの店舗を見つけたので、ちょっと買い物をしようと思ったら、開店時間は朝9時でした。やられた…
集合場所で参加者一同、ラジオ体操で体をほぐしたら、軽井沢寄りの第18号トンネルから信越本線の廃線跡に入ります。
真っ暗な第18号トンネルを進むとまもなく長野県 - 群馬県の県境に達します。
トンネルを出ると、すぐ次のトンネルに入ります。トンネルから出たり入ったりの繰り返し。
インピーダンスボンド
トンネルの横に開けられた穴から外に出られる場所もありました。
勾配が急なこの区間には明治から昭和にかけてアプト(ラック)式のレールが敷設されていた旧線の遺構がところどころに残されています。イベントで歩いているのは1960年代に整備された新線になります。
碓氷第13橋梁(中尾川橋梁)
国道18号線(碓氷峠旧道)と並行して鉄路が走っている場所も
横川 - 軽井沢区間は複線ですが上下線が少し離れて敷設されています。なので、こうして並行して走る上り線を下り線側から見ることができました。
旧熊ノ平駅近くの第4号トンネル内はライトアップのおもてなし。
レールがそのまま残されている廃線跡はここまで。
旧熊ノ平駅。変電所の遺構が残っています。周囲に集落があって人の乗降があったわけではなく、蒸気機関車の給水、給炭所が始まりだそうです。
ここからは「アプトの道」として整備された遊歩道です。明治時代に建設されたレンガの橋が見事です。
きれいに舗装されて歩きやすい遊歩道です。
切り通しも風情があります。
トンネルの入り口も石積みで芸術的です。
トンネルの天井に排煙用の換気口も見えています。
めがね橋(碓氷第3橋梁)
めがね橋の袂で、ほんのり暖かいおぎのやの峠の釜めしをいただいて満腹。
木々の葉が落ちて、少し離れた場所からでも、めがね橋の景色が見えました。
碓氷湖
峠の湯で完走証や温泉の入浴券をもらってイベント解散。
峠の湯で汗を流したら、横川駅まで残り3キロのアプトの道を歩いて下りました。
背後に妙義山
旧丸山変電所
イベント参加者お迎えのトロッコ列車臨時便とすれ違い。
碓氷峠鉄道文化むらから上がって来た電気機関車 EF63
碓氷峠鉄道文化むらの脇にあるアプトの道の起点に到着。