ちはやふる日記


『忍びの国』

2017年07月30日 22:01更新
忍びの国(新潮文庫)(和田 竜)

時は戦国、織田軍による伊賀攻め(天正伊賀の乱)をモチーフにした合戦物語。

報酬次第で雇い主を無節操に乗り換える下人(忍者)たち。織田軍の力に屈して旧主 北畠具教を裏切る伊勢の重臣たち。父 信長の威を借りる次男 信雄。物語の前半は登場人物に誰一人として共感が持てないまま鬱々と合戦の準備が進むのですが、いざ合戦がはじまると、報酬を得るためには手柄を上げなければならないと磨き上げた技術を出し尽くす下人たち、旧主を裏切ってまで守った領地や家臣のために死力を尽くす重臣たち、父 信長の威光を自らの力で跳ね除けようとする信雄、と登場人物たちが生き生きと動き始めます。信長による中世秩序の破壊という時代の大きなうねりの中で、時代の登城人物たちが駆け巡る姿が清々しい物語でした。



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