舞台『ジャンヌ・ダルク』
舞台『ジャンヌ・ダルク』を観劇(感激😅)してきました。
2010年に堀北真希さん、2014年に有村架純さんが主演を務めた舞台作品のコロナ禍を経て9年ぶりの再演。主演はドラマ『透明なゆりかご』や朝ドラ『おかえりモネ』をはじめ、ドラマ、映画で活躍中の清原果耶さん。凛々しくも最後は悲しく散っていくジャンヌ・ダルクを見事に演じていました。
舞台は徐々に熱を帯びてくるのかと開演のベルを待ち構えていましたが、左にあらず。八百屋に傾斜をつけた舞台の中央に穿たれた穴から中世ヨーロッパの鎖帷子・甲冑姿のジャンヌ・ダルクが一人登場します。スモークや照明の効果もあるのでしょうが、ゆっくりと歩み出てくる清原果耶さんの存在感が圧倒的でした。そして舞台の上にはジャンヌ・ダルクに付き従うフランス軍の兵士たちがワラワラと湧いて出てきます。開演5分でカーテンコール?と思うくらいの爆発的な盛り上がりです。
舞台はステージと客席を繋げて一体化させた演出で、斃れた兵士がステージ上から客席側へ次々に転がり落ちてきます。そしてフランス軍が敵を猛攻する場面ではステージ上の敵イングランド兵に対して、客席の後方や左右から押し入ってくる兵士たちが客席内の通路を埋め尽くし舞台に向けて駆け上がっていきます。総勢100名の出演者の登場のさせ方が見事でした。そして、その客席内を埋め尽くすフランス軍の真ん中には大きく旗を振り自軍の兵士たちを鼓舞する清原果耶さん演じるジャンヌ・ダルクがいます。観客も一緒になって「イングランド軍など蹴散らしてしまえ!」と興奮が掻き立てられます。作品が描こうとしている群衆のうねりの凄まじさと危うさがそこに完成します。
ジャンヌ・ダルクは剣の達人でも弓矢の名手でもなく、「神の声を聞いた」と言って旗を振り味方を鼓舞するだけの華奢な女性として描かれています。自らの生身の力で敵を打ち倒すのではなく、大勢を巻き込んでまとめ上げることで生み出されるパワー。そして一度火がついてしまえば、思いとは違う方向に進み始めても、迷うことも許されず、抗うことは叶わず、自らの内心に反してでも旗頭として直進せざるを得ない悲しみが描かれていて辛くなりました。
でも、でも、……… 身の丈の倍はあろうかという大きな旗を凛々しく振り続ける清原果耶さんが演じるジャンヌ・ダルクがカッコ良かった。素敵でした。😅
劇場は東京都池袋の東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
実はこの新しい建物に建て替えられる前の豊島公会堂に何度か通っていました。当時、都内文京区にある都立高校に通っていたのですが、その高校には講堂も体育館もなかったため、毎年学園祭の演劇、音楽系の発表は豊島公会堂を借りておこなわれていました。
同じ高校の同級生であった女優の横山めぐみさんがバービーボーイズのコピーパンドで歌っているのを見たのも、この豊島公会堂でした。なつかしい…
Brillia HALL のすぐ目の前にある中池袋公園。野生のアニメイトが大勢集まっていました。😅