『農民美術児童自由画100年展』
2020年01月19日 14:04更新
上田市美術館で開催中の『農民美術児童自由画100年展』を観覧してきました。
NHKの『日曜美術館』で版画家 山本鼎が始めた「児童自由画教育運動」を特集していたので、番組から受けた熱が消えてしまう前に美術館に足を運びました。お手本を正確に模写することが良しとされていた当時の美術教育に対して、児童に自由に描かせることを広めた歴史的背景や、思想の原点となった山本鼎の少年期の木版工房での年季奉公の経験などを知った上で作品を見ると、当時の子供たちが描いた絵も興味深く鑑賞することができました。
写真は現代のアーティストが製作した『木片(こっぱ)人形』です。もともとは山本鼎が農家の農閑期の現金収入の手段として勧めた工芸品、お土産物ですが、当時の小さな人形もとても可愛い。単なる現金収入の手段としてだけでなく、自己表現手段の提供の役割も併せ持っていたところに大正デモクラシーの時代の伸びやかさを感じました。どこかデジャブーを覚えたのは、海洋堂のカプセル玩具と通じるところがあったからかもしれません。