松本城発掘調査現地説明会
2012年01月28日 12:38更新
松本城の発掘調査現場の一般公開に参加して来ました。
松本城と言ってまず思い浮かべるのは、漆黒の天守閣。
しかし今回の発掘調査対象はお城の内堀の石垣。
お堀際に大きく成長してしまった欅(けやき)の根が江戸時代の石垣を突き崩し、石垣もろとも崩落する危険が生じたために、4年間の予定で石垣の発掘調査と改修工事を行っていました。
こちらの穴は明治維新後に埋め立てられた内堀の一部を再び掘り返して調査しているところ。今まで土の中に埋もれていたことで江戸時代の遺構が手つかずで残されていることを期待して調査しているのだそうです。ちょっとしたタイムマシンですね。
こちらは石垣の裏側から撮った写真。石垣を表から見る機会はあっても土が盛られている裏側をみるチャンスはなかなかありません。
昭和の時代に作られた排水溝やトイレのマンホールもあって雑然とはしているのですが江戸時代の地層がこの下に眠っていると思うとロマンがあります。
お堀の底から掘り出された遺物も併せて展示されていました。
築城当時は敵の侵入を防ぐ重要な役割を担っていた堀も、平和な時代が続くと不要品を投げ込むゴミ捨て場に変わっていったのだそうです。そうは言っても江戸時代のゴミなので数百年後の現在に掘り起こされてみれば大変貴重な遺物ですね。