ETロボコンの参加者メーリングリストにスタート時の倒立安定性について質問が飛んでいたのでちょっとコメント。 🙂
「電車の運転」によると、停車状態からの急発車で乗客に衝動(鉄道用語みたいです 🙂 )を与えないように、最新の電車ではソフトスタートの機能(機構)が車両自体に組み込まれているそうです。
自動車であれば、ゆるゆるとアクセルを踏み込んで、同乗者に不快な衝撃を与えないようにふわりと発進することが比較的容易なのですが、電車のノッチ(自動車で言うところのアクセル)は最低ノッチでも最大ノッチでもある速度に達するまでの加速度は同じなのだそうです。したがって、運転手のテクニックではソフトスタートを実現することは基本的に不可能なのだそうです。
直流モーターを電流制御する電気的な制約からくる特性だそうです。最新車両はVVVF(可変電圧可変周波数)制御に置き換わって、電気自動車と同じようなアクセル操作がエンジニアリング的には可能になったそうですが、運転手さんの昔ながらの運転操作への慣れや旧型車両と新型車両の運転操作特性の互換性を考慮して、ノッチ(マスコン)のインターフェースは現在までのところ昔の制御方法を踏襲したままだそうです。
ということで、倒立走行体 NXTway-ET のスタート制御もソフトウェアの工夫次第です。ときどきスタートに失敗するということは、スタートを行うメンバーの不慣れだけが原因ではなく、要求分析、設計、そして実装の不出来を露呈する結果でもあります。
ちなみに、南関東大会の事例発表で、AEK Runnerさんは、『あがり症のメンバー』もリスク要因の一つとしてモデル分析されていました。 🙂
「電車の運転」の本が手元にあるわけではないのに、なんで私って、こんなにすらすらと書けるんだろう・・・ 🙂
テストが抜けていると、N先生にツッコまれそうなので、急いで自己コメントします。
分析、設計、実装、テストのプロセスですね。(まだ、何か抜けてないかな???)