南関東大会ワークショップ感想

南関東大会のワークショップの感想を自分のつぶやき(Twitter)を読み返しながらまとめてみます。

南関東大会招致委員長 二上貴夫氏 記念講演

UML/ETロボコンを最初に企画して立ち上げた生みの親ですね。

所属会社やコミュニティーに対してイベントの提案を諮る前に、ファミリーエンジニアリングと称してお子さんや奥さんに手伝ってもらいプロトタイプを作ってみた話は面白かったです。プロトタイプの段階ですでに、観客の座る場所やモデルを掲示する場所がデザインされていたというのにはびっくりしました。

ファミリーエンジニアリングはお子さんの成長と共にフェードアウトするのかと思いきや就活中の大学生のお嬢さんを組込み特集記事に登場させて今なおファミリーエンジニアリング発展中ですね。 😀
〜〜〜 『組込みライフ 知識ゼロから一人前になるためのすべて』

アイデアを考えることは大切だし大変なことですが、アイデアだけで留まらずに、アイデアを自分の手で実現してみせて、次に仲間を引き入れて膨らませて、また次のアイデアを考えていく、このサイクルを実践されていることに感服します。

NXTの部 競技部門優勝、南関東大会特別賞受賞
    ロボタビーズ(所属:東海大学)さん

競技部門のリザルトタイム(実走行タイム - ボーナス獲得タイム)で-66.6秒と2位以下に50秒以上の大差をつけての競技部門優勝でした。総合成績でいま一歩およばずチャンピオンシップ大会進出ならず、というのは残念でしたね。インコースもアウトコースも、アウトコース側の難所(ボーナスポイント)である新ショートカットとトレジャーハントを繰り返し狙ったのは斬新な戦略でした。司会の審査員に「並走車の走路妨害のリスクは考えなかったの?」という問いに、当日完成したプログラムだから他に選択肢がなかったと正直に答えていたところは御愛嬌。しかし本人曰く当日完成したプログラムが本番であれだけピタリと決まるのは入念な準備と高い技術力の賜物でしょうね。

RCXの部 エクセレントモデル受賞
    EbiChili(所属:富士ゼロックスエンジニアリング)さん

主眼に置いたのはコースプログラミングと仮想機械の分離、ということで志の高いチームですね。C言語の知識がなくても抽象度の高い記述でプログラムできるように工夫したそうです。「走行プリミティブ」と呼んでいるものが走行制御の最小単位らしく、経過時間やセンサーの変化などを終了条件として、次の走行プリミティブに遷移する仕組みのようです。脱線やタイムオーバーなど異常(例外)ケースに対応する終了条件もきちんと実装してあり、予想外のことが発生しても正常ルートへ復帰できるように工夫していたようです。

NXTの部 ゴールドモデル受賞
    かねごん(所属:日立情報通信エンジニアリング)さん

シンプル・イズ・ベストで設計。光センサーの測定値が安定しなかったので、モーターの回転計(カウンター)の値を使ってロボットの位置と向きを計算したそうです。トレジャーハントもツインループも、ドルフィンジャンプと同じ要領で光センサーによるライントレースはしないでモーター・カウンターの値だけで走りきったそうです。ここからは私の感想ですが、NXTのタイヤって結構滑るようなんですね。左右交互に首を振っているときは、左右のスリップが相殺してそれなりのログデータが取れるのですが、同じ方向に旋回を続けるとスリップの影響が無視できなくなり困りました。また、コース上にゴミがあったのか、人の汗でも付いていたのか、大きくスリップする箇所がまれにあり、このスリップの補正(無視)も悩んだまま解決が付きませんでした。

NXTの部 エクセレントモデル受賞
    Team Bear R(所属:ニコン)さん

走行ルートをお絵描き感覚で指定できるWindowsアプリケーション(ピットアプリケーション)を作成して、このピットアプリケーション上で走行パターン(マップ走行など)や速度を逐一指定できるように工夫したそうです。ロボットの形状から計算したデッドレコニング(位置推定)の値と実際のコース(試走会)での測定値が一致しなかったということで、キャリブレーション走行というものを事前に行い、本番での走行ルート計算の補正に用いたそうです。審査員も言っていましたが、NXT上に実装するロボットのプログラムよりも、PC上に実装した支援ソフト(ピットアプリケーション)のほうが作るのが大変だったろうな、と歓心仕切りのチームでした。

RCXの部 総合優勝 BERMUDA
NXTの部 総合2位 BrickRobo09
    (所属:富士通コンピュータテクノロジーズ)さん

オレンジ色の揃いのはっぴ集団が会場内で目立っていました。 😀

モデルを見るとこの2チームは瓜二つなのですが、手抜きをしたのではなかったようです。上位層を同一のアーキテクチャで設計・開発し、ハードウェア(RCXとNXT)の違いを差分開発したようです。攻略すべきコースや難所はRCXとNXTで同一なのだからこういう発想が出て当然なのでしょうが、実際にあれだけ大勢のメンバーを束ねて差分開発を成功させた組織力というのには感嘆します。東京大会には長野県内の別事業所からも1チーム参加していたので、FCTさんは2拠点3チームの分散開発だったのでしょうか?ワークスチームのお手本のような企業さんですね。

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